外科用ヘッドライトの選び方

外科用ヘッドライトは、電池または充電式バッテリー、光のパワーを調整する回路基板、そして光源の3つで構成されています。

そのため、ヘッドライトの種類は、電源別に分けることができます。

• 電池式ヘッドライト
• 充電式バッテリーのヘッドライト

Isolux社の充電式バッテリーヘッドライト

• ハイブリッドタイプ(充電式バッテリー＋電池)のヘッドライト

電池式ヘッドライトには、単3型か単4型の電池が使用されており、交換が容易であるという利点があります。 また、高品質な電池の中には、最大200時間の点灯が可能なものもあります。

充電式バッテリーの場合、電池残量が少なくなるとすぐに充電できるので、予備電池を用意する必要がありません。従来の充電式バッテリーもリチウムバッテリーも、電池式ライトより光量が強力です。 また、リチウムバッテリーや充電器は、店舗で簡単に見つけることができます。

ハイブリッドタイプのヘッドライトは、充電バッテリーと電池の両方を使用できます。

• 双眼ルーペ用ヘッドライト

ESC社の双眼ルーペ用ヘッドライト

双眼ルーペ用ヘッドライトは、その名の通り、照らす部分を拡大・鮮明化する機能を持つルーペを搭載しています。

ヘッドライトを選ぶ際は、明るさ、光の質、寿命、快適性などの点に基づき選びます。

• 光源：現在ほとんどのヘッドライトがLEDを採用しています。また、キセノン電球やハロゲン電球を使用しているものもあります。 LEDランプは光出力が高いため、消費電力が少ないという利点があります。 また、LEDは抵抗値が高く、数万時間という長寿命な点も大きな利点です。また、LED電球は従来のキセノン・ハロゲン電球に比べて発熱が少ないため、手術中に患者さんの組織の乾燥を防ぐことができます。

• 照度：ルクスが単位で明るさの度合を表します。照度が高いほど明るいです。一般的に手術室では、血液による光の吸収が大きいため、より高い光度の照明が必要とされます。そのため、国際電気標準会議(IEC)は、手術用ライトの明るさを40,000～160,000ルクスと定めています。

• 照明の品質：ヘッドライトの照明の光は、昼間の光に近くないといけません。できるだけ昼間の光を再現するために、国際電気標準会議は、色温度と演色性という2つの数値を定めています。色温度は3000～6700°ケルビン（昼光は5800°ケルビン）、演色性は85～100Ra（昼光は100Ra）である必要があります。

• 点灯時間 : 必要な点灯時間は、手術や治療の種類により異なりますが、診察中や手術中に長時間点灯できるライトが必要です。

• バッテリー/電池の寿命：充電式バッテリーの場合、リチウムバッテリーは従来の鉛蓄電池よりも長寿命で、充電時間も短いです。

• 快適性：頭や肩、首の疲れを避けるために、軽量のものを選びましょう。 施術に集中するためには、快適さは重要な要素です。

長所:

ヘッドライトとは別に、外科手術用照明には無影灯と小手術照明の2種類があります。ヘッドライトは、これらの照明とは異なり、特定の手術部位に光を集中させることができるため、影ができるリスクを最小限に抑えることができます。固定式照明は、手術中にスタッフの手の影が入りやすくなります。

また、ヘッドライトは、小型で携帯性に優れており、手術部位に光を集中させることで、より手先が動かしやすくなります。 さらに、外科医の双眼鏡ルーペに装着することができ(双眼ルーペ用ヘッドライト)、視野に沿いながら照らすことができます。

短所:

• 眼精疲労：暗い部屋でヘッドランプを使用すると、コントラストが強すぎて、眼精疲労が起こり得ます。 そのため、ヘッドライトはシーリングライトと併用して使用します。

ヨーロッパで外科用ヘッドライトの平均価格は、1,160ユーロです。