研究用・医療用冷凍庫の選び方

医療・科学分野で使用される冷凍庫は、主に試薬、生物学的サンプル、医薬品の保存・保管に使用されています。このガイドでは、ご家庭で使用されている冷蔵庫とは異なる研究用・医療用冷凍庫の選び方について説明していきます。庫内の温度は、保存するサンプルの種類や応用分野により異なり、また、メーカーごとに機能や付属品も異なります。

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  • 医療分野での冷凍庫の用途とは?

    医療分野における冷凍庫の主な用途は、試薬やサンプルの保管用、血液銀行用、医薬品とワクチンの保管用です。 わずかな温度差が、サンプルの保存期間や特性に影響を及ぼす可能性があるため、温度維持は非常に重要です。 さらに生物学的材料は、極低温(-86℃まで)で数週間から数年間保存しなければならない場合が多いです。 冷凍機能が少しの間でも正常に機能しないと、貴重なサンプルや高価な試薬の損失につながります。

    PHCbi社の研究用冷凍庫

    研究所用冷凍庫は、バイオテクノロジー(生物工学)分野では、特にサンプルや試薬を保存するために使用されます。 血清や抗体のような非常に繊細な物質、あるいは爆発性物質でさえも、安全かつ確実に保管することができます。

    このタイプの冷凍庫は、血液銀行で使用される血液や血液派生物を保管するために使用されます。

    このタイプの冷凍庫は、医薬品やワクチンを保管するために使用されます。

    以下は研究用冷凍庫の主な用途です:

    • 研究所:試薬やサンプルの保管用
    • 血液銀行用
    • 薬局:医薬品とワクチンの保管用
  • 冷凍庫の構成にはどのようなものがあるか?

    冷凍庫の構成(「キャビネット型」、「チェスト式」、「ビルトイン式」)は、研究所や薬局の広さに応じて選びます。などがあります。 また、異なるタイプのドアを備えた冷凍庫や、冷蔵庫または冷凍庫として使用できるモデル、あるいはそれらを組み合わせたモデルもあります。

    設置面積が小さいので場所を取りませんが、横型の冷凍庫よりもエネルギー消費量が高いです。 縦型冷凍庫は、中に保存したサンプルを定期的に出し入れする場合に便利です。

    縦型冷凍庫よりも場所を取りますが、消費エネルギーが少ないので経済的です。 このタイプの冷凍庫は、十分な設置スぺースがある場合におすすめです。

    ビルトイン式は、実験台の下に設置することができます。 実用的な反面、容量は小さいです。

    冷凍庫には1つ~4つのドアがあり、ドアが頑丈なものとガラス製のものがあります。

    冷凍冷蔵庫は、冷凍部は0度以下の温度で、冷蔵部は0度以上の温度です。

    Liebherr社のチェスト式冷凍庫

    B Medical Systems社のキャビネット型冷凍庫

     

     

  • 冷凍庫を購入する場合、温度選びはどうすればいいか?

    用途に加え、冷凍庫を選ぶ主な基準の1つは、冷凍庫の温度です。 保存するものの種類や期間にもよりますが、非常に重要な基準と言えます。 温度には以下の種類があります:

    • 通常の冷凍庫:マイナス20℃。
    • 低温冷凍庫:マイナス40℃。
    • 超低温冷凍庫:マイナス60℃のものとマイナス80℃のもの。
    • 主に熱に敏感な生物学的サンプル(DNA、RNA、ウイルス、タンパク質)や、ワクチンの低温保存に使用されます。 例えば、新型コロナウィルス感染症のワクチンの1つ「ファイザー」の輸送・保存をするために使用されます。
  • 冷凍庫内の温度が適温に保たれていることをどう確認するか?

    冷凍庫内を適切な温度に保つためには、コールドチェーンの温度帯を厳守することが重要です。そのための温度監視システムがあります。

    アラーム設定温度

    一部の冷凍庫では、アラームの温度設定ができます。 冷凍庫に誤動作が発生した場合に、音または目に見える形で警告します。

    RFID

    一部の冷凍庫には、RFIDが使われており、サンプルのコールドチェーンを追跡(トレース)できます。 これにより冷凍庫は、RFIDのアクセス・コントロールにより許可された担当者のみが開けることができ、担当者の正確な身元や冷凍庫を開けた日時、冷凍庫から出し入れされたもの、取引場所が記録されます。

    気候クラス

    冷凍庫の気候クラスにも注目しましょう。 気候クラスは、冷凍庫が最適に動作する周囲温度範囲を表しています。 気候クラスは庫内に貼り付けられており、8つの温度範囲に分かれています:

    • SN-T(亜寒帯-熱帯):周囲温度が10~43℃の室内で使用可能。
    • SN(亜寒帯):10~32℃。
    • SN-ST(亜寒帯-亜熱帯):10~38℃。
    • N(温帯):16~32℃。
    • N-ST(温帯-亜熱帯):16~38℃。
    • N-T(温帯-熱帯):16~43℃。
    • ST(亜熱帯):18~38℃。
    • T(熱帯):18~43℃。

    適切な温度を維持するためには、以下を考慮する必要があります:

    • アラーム設定温度
    • コールドチェーンを追跡できる自動認識技術RFID
    • 冷凍庫の気候クラス
  • 冷凍庫の革新的なソリューションとは?

    メーカー各社は、コールドチェーンを温度を維持し、サンプルや物質の追跡・保存をするために、より革新的な方法を常に探しています。 そのため、コールドチェーンの温度が維持されていることを保証する必要があり、トレースする必要があります。

    環境も考慮されており、例えば太陽エネルギーを使用したソーラー冷凍庫は、電気なしでも機能します。 太陽エネルギーは、停電が頻繁に起こり、冷凍庫の電源がオフになる可能性のある災害地帯や農村部、発展途上国では、非常用電源として重要なエネルギーです。

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