ヘモグロビン分析計の選び方について

ヘモグロビン分析計は、血中のヘモグロビン、ヘマトクリット、糖化ヘモグロビンの濃度などを測定することができます。 これらはパーセンテージで表示されます。

• ヘモグロビン

赤血球に含まれるヘモグロビン（Hb）は、肺から全身へ酸素を運びます。 ヘモグロビンの値が低い場合を貧血と呼びます。 貧血になると、疲労、エネルギー不足、失神、顔色不良、息切れなどの症状が現れます。
逆にヘモグロビンの値が高すぎる場合を多血症と呼び、視力障害、めまい、頭痛などの症状が現れます。高地居住者は、ヘモグロビンの値が平均より高い傾向にあります。 また、一般的に高齢者や女性、妊婦、小児は低い傾向にあります。

• ヘマトクリット

血液が赤いのは、ヘモグロビンの色によるものです。そしてヘモグロビンは、赤血球の数と密接な関係にあります。 ヘマトクリット値（HTC）とは、血液中の血球（赤血球、白血球、血小板）が占める割合で、血漿は血球を除いた残りの部分です。 血球の約98％を赤血球が占めるため、ヘマトクリットの値は、全血液中の赤血球の割合を表します。

• 糖化ヘモグロビン

ブドウ糖は、ヘモグロビンをはじめとするさまざまなタンパク質と結合しやすい性質があります。 HbA1cまたは糖化ヘモグロビン値は、ブドウ糖と反応したヘモグロビンの割合です。 分析計の中には、糖化ヘモグロビンを測定して、より正確に血液中の血糖値を測定できるものもあります。 そのため、糖化ヘモグロビン値は、糖尿病の診断や管理に非常に効果的です。

血液中のヘモグロビンを測定することで、貧血、多血症、糖尿病などの病気の診断ができます。

貧血

貧血は、ヘモグロビンの量の低下により引き起こされます。 貧血の種類は、平均赤血球容積（MCV）別に以下のように分けられます：

• 小球性貧血：平均赤血球容積が80fl未満の以下の貧血。 主に鉄分不足により引き起こされます。
• 正球性貧血：平均赤血球容積が「正常」（80～100fl）の貧血。 腎不全、肝不全、甲状腺機能低下により引き起こされます。
• 巨赤芽球性貧血：平均赤血球容積が100flを超える貧血。 赤血球の溶血やビタミンB12の欠乏により引き起こされます。

多血症

赤血球増多症とも呼ばれ、ヘモグロビンが多すぎるために起こる病気です。 多血症には2つのタイプがあります：

• 真性多血症：骨髄増殖性疾患の1つです。 これは、Vaquez病とも知られています。
• 二次性多血症：呼吸不全や心疾患により引き起こされます。

糖尿病

糖化ヘモグロビンは、糖尿病患者さんの過去3カ月間の血糖値の管理を評価する指標です。 正常範囲は7％未満です。 7％以上の場合は、血糖値が高すぎるため、食習慣や運動量を変える必要があります。

ヘモグロビン分析計は、一般的に卓上型と携帯型の2種類があります。

• 卓上型 ： このタイプは、コンパクトで作業台の上に直接置くことができます。

EKF社のヘモグロビン分析計

EKF社のヘモグロビン分析計

• 携帯型 ：患者さんのベッドサイドでの検査に特に便利。

EKF社の携帯型ヘモグロビン分析計

EKF社の携帯型ヘモグロビン分析計

ヘモグロビン分析計の価格は、ブランドやモデルにより異なりますが、おおよそ数十ユーロから数百ユーロです。

ヘモグロビン分析計の使用にあたり、直接的な危険はありません。しかし、ヘモグロビンの測定には、採血をする必要があります。そのため、感染症の危険を回避するために、使用する機器を正しく滅菌する必要があります。

その他の危険として挙げられるのは、分析計の測定誤差に伴う診断ミスです。そのため、正しく校正されているかどうかを定期的に確認する必要があります。

特別なメンテナンスは必要ありません。分析計の校正をきちんと行っていれば、分析結果の信頼性は十分です。