無影灯の選定

フランス語で「シャリテイク」(無影灯)という言葉は、元々は照明器具のブランドを指しています。今日では、言葉の誤用で主に手術で使用される光源を表しています。無影灯は、当時フランスやドイツから日本に輸入され、使用され始めました。無影灯は、手術する部分に影を作らず均一な光を拡散させることができます。

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無影灯の選択基準について
Burton Medicalのハロゲン無影灯

無影灯の購入をお考えの場合、照明の均一性・照野径・使用する電球の種類などの基準に基づいてお選び頂くことをおすすめします。

ここではその基準をご紹介します:
- 照明の均一性：人間の視覚は、均一に照らされた領域でしか機能しないため、光の均一性は非常に重要な要素です。無影灯の光が均一でない場合（不規則な照度、光の帯や穴など）は、技術的欠陥がある可能性があります。影が現れるため、外科医は何度も照明を操作しなければなりません。一般的にリフレクターの厚さは、均等な光を保証し、外科医が狙った表面と深さに光を集中させることができます。
- 照射野：照射野は幅広く変えられる必要があります。
- 照度：8000～36000ルクスの間でなければなりません。一般的に照度は、手術を行う領域に合わせて調整することができます。
- 電球のタイプ : 無影灯の電球にはハロゲン電球またはLED電球が使用されています。白色のLEDランプは、赤と黄色の識別に優れており、組織や臓器のより良い識別を可能にします。また、網膜傷害を引き起こすブルーライトが含まれていません。強い黄色のハロゲンライトは、実際の色を歪める傾向があり、診断を行う際に誤解を招く可能性があります。
- 色温度 ：4500ケルビン程度が良いでしょう。
無影灯の電球について
Dr. MachのLED無影灯

今日無影灯に最も使用されている電球はLED電球です。ここではハロゲン電球に対するLED電球の長所と短所について説明します。

LED電球の長所:
- 寿命: ハロゲン電球よりも10〜12倍長い。
- 消費電力: ハロゲン電球よりもはるかに低い。
- 電球が熱くならない: LED電球はハロゲン電球と比べ熱くなりにくいです。
LED電球の短所:
- 網膜傷害を引き起こすブルーライトが含まれているものもある: ブルーライトが原因で加齢黄斑変性（AMD）などの網膜傷害が発症する可能性があります。そのためHEV光線を含む5000ケルビン以上の昼白色LEDは避けましょう。おすすめは、ブルーライトの少ないおよそ4500ケルビンの白色LEDです。
- 価格：一般的にハロゲンよりも高いですが、長寿命です。
無影灯の照度について

BiHealthcareのダブルアーム無影灯

若い人の目は12,000ルクスで視力の98％に達します。そのため15,000ルクスの照度があれば十分だと考えられます。

一方で、少なくとも20,000ルクスの照度を推奨する基準もあります。ただし照度が強すぎると、外科医の網膜を傷つける可能性があるので注意しましょう。

また、光の必要性は年齢とともに高まっていきます。角膜軟化症の方の場合、20～60歳の間で光の必要性が3倍になると言われています。そのため高齢の外科医の視力には、約36,000ルクスが最適とされています。
無影灯を選ぶ際のその他の留意点
Trumpf Medicalの移動式無影灯

ここでは、無影灯に追加できるオプションについてご紹介します。

付属品
- 内蔵型カメラ :ビデオカメラ付き無影灯は、手術中の詳細な画像を撮影することができます。無影灯本体に内蔵されている場合と、別のア－ムに取り付けることができます。ステレオマイクやコンピュータ化された画像処理技術に加えて、4Kカメラを内蔵しているものもあります。
- ダブルアーム :多関節2本アームを持つ無影灯には、異なるサイズの手術用ライトを組み合わせることができます。
無影灯の重量と移動

コンパクトで計量な無影灯は、手術から歯科矯正まで、あらゆる治療に対応できます。無影灯の重量は、天井から吊るされているタイプや壁に取り付けるタイプの場合に考慮します。車輪付きの移動式無影灯は、病院の様々な場所で使用できます。